四十肩・五十肩で服を着にくい時は腕を後ろに回す動きをどう考える?
上着に腕を通す時、背中へ手を回すと肩が痛い。
エプロンのひもを結ぶ、下着を着ける、ズボンの後ろポケットへ手を伸ばす動作も以前よりしにくい。
四十肩・五十肩では、「腕を上げる動作」だけでなく、このような腕を後ろへ回す動きで困る方もいます。
服を着る時に肩がつらい場合、肩関節だけでなく、肩甲骨が背中の上を動けるか、胸まわりが固まっていないかも関係します。痛みが出る方向へ無理に腕を引っ張るのではなく、普段から肩甲骨や背中を小さく動かしておくことが予防のための身体づくりにつながります。
服を着る時は「腕を後ろへ伸ばす」だけではありません
背中へ手を回す動作は、見た目以上に複雑です。
例えば背中側でエプロンのひもを結ぶ時には、
腕を後ろへ動かす
肘を曲げる
腕を内側へひねる
肩甲骨を動かす
といった動作が組み合わさっています。
そのため、単純に「肩が硬いから手が後ろへ届かない」とは限りません。
肩関節の動きが小さい場合もあれば、肩甲骨が十分に動かず、腕だけで距離を稼ごうとしているケースもあります。
背中や胸まわりまで固まっていると、さらに肩へ負担が集まりやすくなります。
四十肩・五十肩では後ろへ回す動作がつらくなることがあります
四十肩・五十肩は一般的な呼び方で、肩関節周囲炎と呼ばれる状態などが含まれます。
症状の出方には個人差がありますが、
腕を上げる
横へ広げる
服を脱ぎ着する
背中へ手を回す
寝返りで肩が痛む
といった動作で困ることがあります。
特に背中へ手を回す動きは、日常生活で何度も必要です。
上着を着るたびに痛むと、「なるべく肩を使わないようにしよう」と考えるかもしれません。
ただし、痛みの程度や時期によっては動かし方を調整する必要があり、無理に伸ばすことも、自己判断で長く動かさないことも避けたいところです。
肩甲骨は腕の動きに合わせて位置を変えています
肩甲骨は左右の背中にある平たい骨です。
腕を上げる時だけでなく、後ろへ回す時にも位置を変えます。
肩関節だけで大きく動こうとすると、関節周辺へ負担が集中します。
そこで肩甲骨が少し動き、背中や胸郭も一緒に動くことで、腕をさまざまな方向へ動かしやすくしています。
服を着る動作で肩が気になる方を見る時は、「手がどこまで届くか」だけではありません。
途中で肩が前へ出ていないか、身体を大きくひねっていないか、肩甲骨が左右で違う動きをしていないかなども見ていきます。
背中が動きにくいと肩が代わりに頑張ります
仕事や家事では、身体の前側で手を使う時間が多くなります。
パソコンを操作する。
スマートフォンを見る。
料理をする。
車を運転する。
これらの姿勢が続くと、背中を反らしたりひねったりする機会は少なくなります。
背中が丸まった位置で固まりやすくなると、肩甲骨も動ける範囲が小さくなることがあります。
すると服を着る時だけ急に腕を後ろへ動かそうとして、肩関節へ負担が集まる場合があります。
肩の予防を考えるなら、「肩だけを柔らかくする」のではなく、普段から背中を動かしておく視点も必要です。
四十肩・五十肩を完全に防げる体操はありません
「この体操をすれば四十肩・五十肩にならない」という方法はありません。
発症にはさまざまな要因が関係し、体操だけで予防できると断定することはできません。
ただ、普段から肩関節や肩甲骨を痛みのない範囲で動かし、長時間同じ姿勢を続けないことは、肩まわりの動きを保つために取り入れやすい習慣です。
予防体操では、無理に可動域を広げることより、
肩がいろいろな方向へ動く
肩甲骨が固まりっぱなしにならない
背中や胸も一緒に動く
という状態を目指します。
予防体操1 腕を振り子のように動かす
まずは肩へ強い力をかけにくい動きです。
机や椅子の背へ片手を置きます。
少し前かがみになり、反対側の腕を力を抜いて下へ垂らしてください。
腕の力で回すのではなく、身体を小さく揺らしながら腕を前後へ動かします。
10回程度行ったら、左右方向にも小さく振ってみます。
痛みのない方で行う場合も、大きな円を作る必要はありません。
肩を自分の筋力で持ち上げ続けず、力を抜いて動かす感覚を確認する体操です。
予防体操2 壁を使って腕をゆっくり上げる
次は腕を上げる動きを確認します。
壁の前に立ち、指先を壁につけます。
そのまま指で壁を歩くように、少しずつ上へ動かします。
肩がすくみ始める直前、または無理なく上げられる位置で止めます。
そこで2〜3秒ほど保ち、ゆっくり戻してください。
5回程度から始めます。
背中を反らせて高さを稼がないことがポイントです。
「昨日より高く上げる」ことを目標にせず、その日の肩が無理なく動く範囲を確認します。
予防体操3 肘を後ろへ引いて肩甲骨を動かす
背中の動きを取り入れたい時は、椅子へ座って行います。
両肘を軽く曲げ、身体の横へ置きます。
息を吐きながら肘を少し後ろへ引き、肩甲骨が背中側へ動くのを感じます。
胸を大きく反らせたり、肩甲骨を強く寄せたりする必要はありません。
そこから肘を前へ戻し、肩甲骨が外側へ広がる感覚も確認します。
前後5〜8回程度で十分です。
肩甲骨を一方向へ固定するのではなく、前後へ動かせることが目的になります。
「背中に手を回す練習」は無理に行わない
服を着る時に困っていると、その動作そのものを何度も練習したくなるかもしれません。
しかし、背中へ手を強く引き上げるストレッチは、肩の状態によって負担になることがあります。
特に現在すでに四十肩・五十肩のような強い痛みがある方では、タオルを使って腕を無理に引き上げる運動などを自己判断で繰り返さない方がよい場合があります。
「届かないから伸ばす」より、まず腕を動かした時にどの方向で痛みが出るのかを確認します。
予防として体操をする場合も、痛みを出さずに続けられる範囲が基本です。
服の着方を変えることも肩への負担を減らす工夫です
肩が気になる時期は、いつも通りの着方へこだわらなくても構いません。
前開きの服を選ぶ。
痛い側から先に袖へ通す。
脱ぐ時は動かしやすい側から外す。
こうした工夫で、つらい肩を大きく動かす回数を減らせます。
家事や仕事で自分のことを後回しにしていると、着替えの時くらいは素早く済ませようとして、勢いよく腕を動かしてしまうこともあります。
少し時間をかけて動かすだけでも、肩へ急な負担をかけにくくなります。
予防体操をするタイミングは日常に組み込みます
体操のために長い時間を確保する必要はありません。
仕事の休憩時間に肘を前後へ動かす。
入浴後に壁を使って腕を数回上げる。
朝の着替え前に肩を軽く動かす。
この程度でも構いません。
熊本市南区で仕事や家事、買い物などが続く方では、「毎日30分運動する」と決めるより、いつもの生活へ数分の動きを足す方が続けやすいことがあります。
肩をほとんど動かさない日を減らす、という考え方から始めてみてください。
強い痛みがある時は予防体操とは分けて考えます
すでに服を着るのも難しいほど肩が痛む場合は、「予防のための体操」と同じ内容をそのまま行うとは限りません。
夜も眠れないほど痛む、急に腕が上がらなくなった、転倒後から痛みがある、手や腕のしびれや力の入りにくさを伴う場合は、医療機関で状態を確認することも考えてください。
四十肩・五十肩と思っていても、別の肩の問題が隠れている場合があります。
特に症状が強い時期は、無理に動かして可動域を広げることより、現在の肩の状態を把握することを優先します。
くまなん院では服を着る動作そのものを確認します
整骨院元くまなん院では、四十肩・五十肩で着替えがしにくい方に対して、肩関節の動く方向、肩甲骨との連動、背中の動きを確認します。単に腕が上がるかだけでなく、後ろへ回した時にどこで動きが止まるのかを見ながら、状態に合う施術やセルフケアを考えます。
予防目的の場合も、無理に肩を柔らかくすることを目標にはしません。
日常の中で肩と肩甲骨を動かす機会を保つことから考えていきます。
明日の着替えで腕の動かし方を一度感じてみてください
朝、服へ腕を通す。
普段は何も考えずに行っている動作ですが、肩関節、肩甲骨、背中が一緒に働いています。
今は痛みがない方も、腕を上げるだけでなく、前後へ動かしたり、肩甲骨を小さく動かしたりする時間を作ってみてください。
すでに背中へ手を回すのがつらい方は、無理に以前と同じ位置まで届かせる必要はありません。
「四十肩・五十肩にならないように肩を強く動かす」のではなく、毎日の中で肩を固めっぱなしにしない。
服を着るという身近な動作をこれからも負担なく続けるために、できる範囲から肩と背中を動かす習慣を取り入れてみましょう。





















