肩甲骨が硬いと言われたら何を見ている?動きにくさを判断するポイント
整骨院や整体で身体を見てもらった時に、「肩甲骨が硬いですね」と言われた経験はありませんか。
肩甲骨という言葉は知っていても、「骨そのものが硬くなるの?」「何を見て硬いと判断しているの?」と疑問に感じる方もいると思います。
「肩甲骨が硬い」という表現は、骨自体が硬くなったという意味ではありません。腕を上げる、背中へ手を回すなどの動作で肩甲骨が十分に動かない、周囲の筋肉が緊張している、左右で動き方が違うといった状態をまとめて表現していることがあります。
そもそも肩甲骨はどこにある骨?
肩甲骨は、背中の上部に左右1枚ずつある平たい骨です。
合計で2枚あります。
肩をすくめたり腕を上げたりすると、背中の上を少し移動するのが分かる方もいるでしょう。
肩甲骨は背骨へ直接がっちり固定されているわけではありません。周囲の筋肉によって支えられながら、肋骨の上を滑るように動きます。
この「動ける」という特徴が、腕や肩を使ううえで重要になります。
「肩甲骨が硬い」は骨の硬さではありません
肩甲骨そのものが筋肉のように縮んで硬くなるわけではありません。
実際に確認しているのは、肩甲骨の動き方や、その周囲にある筋肉の緊張です。
例えば腕を上げる時、肩関節だけが動くのではありません。
腕が上がるのに合わせて肩甲骨も外側や上方向へ動きます。
ところが肩甲骨があまり動かないと、肩関節だけで腕を上げようとすることがあります。
そのため、本人は「腕は上がるから問題ない」と感じていても、動き方を見ると肩だけが頑張っているケースもあります。
腕を上げた時に見るのは高さだけではありません
肩の動きを確認する時、単純に「腕が何度まで上がるか」だけを見るわけではありません。
腕を上げる途中で、
片側の肩だけすくむ
身体が横へ傾く
腰を反らせる
肩甲骨の動きが左右で違う
といった代わりの動きが出ていないかも確認します。
腕を頭の上まで上げられていても、肩甲骨がうまく動かず、別の場所が補っていることがあるからです。
「動く」と「無理なく動く」は同じではありません。
肩甲骨が硬いと言われた場合は、可動域だけでなく動きの質を見ている場合があります。
背中へ手を回す動作からも分かることがあります
肩甲骨の動きは、腕を上げる時だけに必要なものではありません。
エプロンのひもを結ぶ。
下着のホックへ手を伸ばす。
背中を洗う。
ズボンの後ろポケットへ手を入れる。
こうした「腕を後ろへ回す動き」にも関係します。
左右で比べてみると、一方は楽に届くのに、反対側だけ肩の前がつっぱることがあります。
この時も肩関節だけではなく、肩甲骨が背中の上でどのように動いているかを見ていきます。
肩甲骨は「寄せれば動いている」わけではありません
肩甲骨のストレッチとして、「肩甲骨を寄せましょう」と言われることがあります。
もちろん肩甲骨を後ろへ寄せる動きもありますが、それだけではありません。
肩甲骨は、
上へ動く
下へ動く
背骨側へ寄る
外側へ広がる
少し回転する
といった複数の動きを組み合わせています。
そのため、「胸を張って肩甲骨を寄せること」がいつでも正しいとは限りません。
デスクワークやスマートフォンを見る時間が長い方では、肩甲骨が外側へ広がったまま動きにくくなる場合があります。
一方、姿勢を意識しすぎて胸を張り続けている方では、逆に肩甲骨を後ろへ固定していることもあります。
必要なのは、一定の位置へ固定することではなく、動作に合わせて動けることです。
肩甲骨の周りには多くの筋肉があります
肩甲骨の周囲には、僧帽筋、菱形筋、前鋸筋など複数の筋肉があります。
それぞれが別々に働くというより、腕や身体の動きに合わせて協力しています。
例えば物を前へ押す時には、肩甲骨が外側へ動く必要があります。
高い場所へ手を伸ばす時は、肩甲骨が上方向へ回転します。
反対に、後ろへ手を引く時には肩甲骨も背骨側へ近づきます。
これらの筋肉の一部だけが緊張していたり、うまく使われていなかったりすると、肩甲骨の動きにも偏りが出る場合があります。
肩こりがあるから肩甲骨も必ず硬いとは限りません
肩こりと肩甲骨の動きには関係がありますが、肩こりがある人全員の肩甲骨が同じ状態とは限りません。
首の筋肉が強く緊張している方もいれば、腕を使う仕事によって肩の前側へ負担が集まっている方もいます。
背中の丸まりが強い方、腰を反らせて姿勢を保っている方など、身体全体の使い方もそれぞれです。
そのため、「肩甲骨が硬いから肩こりになる」と一方向だけで考えるより、肩甲骨を含めて肩や首がどう動いているのかを見る方が実際の身体に近くなります。
自分でも肩甲骨の左右差を簡単に確認できます
鏡の前で腕をゆっくり上げてみてください。
正面を向いたまま、両腕を頭の上へ伸ばしていきます。
この時、
片側の肩だけ先に上がらないか
途中で身体が横へ傾かないか
左右で腕の上がり方が違わないか
を確認します。
次に両腕を下ろし、肘を曲げたまま肩を前後へ小さく回してみましょう。
左右で引っかかる感じや、大きさの違いがあれば、その感覚を覚えておきます。
無理に可動域を広げる必要はありません。
痛みが出ない範囲で「左右の動き方を比べる」だけで十分です。
肩甲骨を動かしたい時は腕から動かしてみる
肩甲骨を直接動かそうとすると、肩へ力が入りすぎる方もいます。
そこで、腕の動きから肩甲骨を動かしてみます。
椅子に座り、両腕を身体の前へ伸ばします。
そこから手を前方へ軽く伸ばすようにすると、肩甲骨が左右へ広がる感覚があります。
次に肘を後ろへ引き、胸を無理に反らさない範囲で戻します。
前後5回程度で十分です。
肩甲骨を強く寄せるのではなく、「腕が動くと背中も一緒に動く」感覚を確かめることが目的です。
肩や腕に痛みが出る場合は中止してください。
「硬い」と言われても、すぐ悪い状態と考えなくて大丈夫です
身体の動きには個人差があります。
肩甲骨の動きが小さいからといって、それだけで身体に問題があると決めることはできません。
大切なのは、
動かした時に痛みがあるのか
日常生活で困っている動作があるのか
左右差が大きいのか
以前より動かしにくくなっているのか
という点です。
逆に肩甲骨がよく動く人でも、肩や首に負担がないとは限りません。
「硬い・柔らかい」という一言ではなく、自分の日常動作でどう影響しているかを考えていきます。
仕事や家事では肩甲骨を動かす機会が意外と少ない
一日中忙しくしていても、肩甲骨を大きく動かしているとは限りません。
パソコンを操作する。
料理をする。
スマートフォンを見る。
車を運転する。
どれも腕は使っていますが、身体の前側で小さく動かす時間が中心です。
くまなん周辺で仕事や家事、車移動を続ける方も、身体を休ませる時間だけでなく、肩甲骨がいろいろな方向へ動く時間が少なくなっていないか振り返ってみてください。
忙しいからこそ、自分の身体は「動かしているつもり」になりやすいものです。
くまなん院では肩甲骨だけを押して判断しません
整骨院元くまなん院では、肩甲骨が硬いと言われた方に対して、肩甲骨の動き、肩関節との連動、首や背中を含めた上半身の使い方を確認します。肩甲骨そのものだけで判断せず、仕事や家事で困っている動作と照らし合わせながら、施術や身体の動かし方を考えます。
肩甲骨を無理に柔らかくすることが目的ではありません。
必要な動作の中で、肩や背中に負担を集中させずに動ける状態を目指していきます。
次に「肩甲骨が硬い」と言われたら動きを聞いてみてください
整骨院などで「肩甲骨が硬いですね」と言われると、自分の背中がひどく固まっているように感じるかもしれません。
けれど、肩甲骨は左右に1枚ずつあり、本来さまざまな方向へ動く骨です。
その「硬い」という言葉が、
腕を上げた時の動きなのか。
左右差なのか。
周囲の筋肉の緊張なのか。
意味が分かれば、自分の身体も理解しやすくなります。
次に肩甲骨について説明を受ける機会があれば、「どの動きが硬いですか?」と聞いてみてください。
肩甲骨という名前だけを覚えるより、自分の腕や肩とどう一緒に動いているのかを知ることが、肩まわりを見直すきっかけになります。





















