坐骨神経痛は腰だけが原因?出産後に気になるお尻との関係
出産前から時々あったお尻や脚の違和感が、出産後ははっきり感じるようになった。腰よりもお尻の奥がつらく、太ももやふくらはぎまで重さやしびれを感じることもある。
40代になり、「腰だけが原因なのか」「出産後の骨盤や内臓も関係するのか」と気になっている方もいるのではないでしょうか。
坐骨神経痛は症状の呼び方であり、腰だけに原因があるとは限りません。腰から脚へ向かう神経への負担に加え、お尻の筋肉の緊張や股関節の動きが関係する場合もあります。出産後に強くなった時も、骨盤まわりの使い方や育児動作まで含めて整理することが大切です。
「お尻が痛いのに腰が原因」と言われるのはなぜ?
坐骨神経は、腰から骨盤、お尻を通り、脚へ向かって伸びています。
そのため、腰まわりで神経に負担がかかっていても、実際につらさを感じる場所がお尻や太ももになることがあります。
腰はそれほど痛くないのに、
- お尻の奥が痛む
- 太ももの後ろが重い
- ふくらはぎまで違和感がある
- 長く歩くと脚までつらくなる
といった状態になることもあります。
「お尻が痛いから、お尻だけの問題」「腰が痛くないから腰は関係ない」と単純に分けにくいのが坐骨神経痛の特徴です。
お尻の筋肉と坐骨神経は近い場所にあります
坐骨神経がお尻を通る周辺には、股関節を動かしたり骨盤を支えたりする筋肉があります。
そのひとつが、お尻の奥にある梨状筋です。
股関節を動かした時や、片脚で身体を支えた時などに働く筋肉ですが、緊張が強くなるとお尻の奥に違和感が出る場合があります。
だからといって、「お尻が硬い=坐骨神経痛の原因」と決めつけることはできません。
実際に身体を見る時には、腰を動かした時に変化するのか、股関節を動かした時に変わるのか、座る・歩く・立つなど何をした時につらいのかを分けて考えていきます。
出産後に強くなった場合は骨盤そのものより「使い方」に注目します
「出産で骨盤が開いたから坐骨神経痛になったのでしょうか」と気にされる方もいます。
出産後の身体にはさまざまな変化がありますが、坐骨神経痛を骨盤の開きだけで説明することはできません。
むしろ日常では、
抱っこで片側の腰へ子どもを乗せる
床でのお世話から何度も立ち上がる
添い寝で同じ向きを向く
子どもを抱いたまま身体をひねる
といった動作が繰り返されます。
こうした生活が続くと、左右の股関節やお尻の筋肉の使い方に差が出ることがあります。
出産から時間が経っていても、その後に身についた身体の使い方が残っている場合はあります。
片側のお尻に体重を預けるクセはありませんか
40代女性では、育児だけでなく仕事や家事も続いている方が多くなります。
忙しい時ほど、立ち方にもクセが出ます。
キッチンでは片側の腰を台へ寄せる。
立って話す時はいつも同じ脚へ体重を乗せる。
子どもを抱える側も何年も同じ。
このような姿勢が続けば、片側のお尻は身体を支える時間が長くなります。
反対側はあまり使われず、左右で股関節の動きに差が出ることもあります。
坐骨神経痛のような症状が片側に出ている時は、痛いところを押すだけでなく、「普段どちらで身体を支えているか」を振り返ってみるとヒントが見つかることがあります。
座るより歩く時につらいなら股関節の動きも確認したい
以前の記事では、産後に座った時のお尻のつらさとセルフケアを取り上げました。
今回は、歩いた時や身体を動かした時のお尻の使い方に目を向けます。
歩く時には、左右の股関節が交互に動きます。片脚で身体を支える瞬間には、お尻の筋肉も働きます。
股関節が後ろへ伸びにくいと、骨盤をひねったり腰を反らせたりして脚を後ろへ送る場合があります。
そのため、
歩幅が左右で違う
片側だけ靴底が減りやすい
歩いた後に同じ側のお尻が張る
という方は、腰だけでなく股関節から歩き方を確認してみる価値があります。
「内臓が原因」という説明は慎重に考える必要があります
お尻や腰がつらい時に、「内臓の疲れが坐骨神経痛の原因」といった情報を見ることがあります。
しかし、坐骨神経痛について、内臓の状態だけを直接的な原因として結びつけるのは適切ではありません。
一方で、腰や骨盤周辺の痛みの中には、整形外科的な問題とは別に、婦人科・泌尿器・消化器などの病気によって腰や骨盤まわりへ痛みを感じるケースもあります。
そのため、
下腹部の強い痛みがある
発熱を伴う
排尿や排便に変化がある
不正出血など婦人科系の症状がある
安静にしていても強く痛む
といった場合は、「坐骨神経痛だから」と自己判断せず、適切な医療機関で確認してください。
内臓まで何でも筋肉や骨盤の問題として扱わないことも大切です。
お尻を強く伸ばせばよいとは限りません
お尻が張ると、強いストレッチをしたくなるかもしれません。
しかし、坐骨神経痛のようなしびれがある方では、脚を強く引っ張る動きによって症状が増す場合があります。
今回は、お尻を伸ばすより先に体重移動を確認してみましょう。
立った状態で、机や椅子の背に軽く手を添えます。
足は腰幅程度に開き、身体を右、中央、左へゆっくり移動させます。
お尻を大きく横へ突き出す必要はありません。左右それぞれの足裏へ体重が移っていることを感じる程度で十分です。
5往復ほど行い、片側へ乗った時だけお尻や脚の違和感が強くならないか確認します。
痛みやしびれが増える場合は中止してください。
歩く前に股関節を小さく動かしてみる
次に、椅子の背などにつかまりながら片脚を少し後ろへ引きます。
腰を反らさず、脚の付け根から後ろへ動かすイメージです。
左右それぞれ5回程度、小さく動かします。
大きなストレッチではなく、「股関節が後ろへ動くか」を確認する運動です。
その後に数歩歩いてみて、左右の歩幅やお尻の感覚を比べます。
身体を無理に柔らかくするのではなく、腰と股関節のどちらで脚を動かしているのかに気づくためのセルフケアです。
出産後から続いている症状も年数だけで判断しない
出産から何年も経っていると、「もう産後とは関係ないのでは」と考えることもあります。
確かに、現在の症状をすべて出産の影響として扱うことはできません。
ただ、その後も抱っこや家事、仕事を続け、同じ身体の使い方が積み重なっているなら、現在の動作を確認する意味はあります。
くまなん周辺で仕事や家事、家族の用事を続けている40代女性にとって、自分の身体を優先する時間は限られがちです。
昔の骨盤の状態を想像するより、今の立ち方や歩き方、股関節の左右差を見る方が、身体の負担を整理しやすくなります。
坐骨神経痛で医療機関への確認を優先したい症状
脚のしびれが急に強くなった、足に力が入りにくい、歩きにくくなった場合は医療機関での確認を考えてください。
排尿・排便の異常や、股の周辺の感覚が分かりにくいといった変化がある場合は、セルフケアで様子を見続けないことが必要です。
また、痛みやしびれが長く続いている場合も、一度原因を確認しておくと安心です。
坐骨神経痛という名前だけで自己判断せず、どこで神経へ負担がかかっている可能性があるのかを整理していきましょう。
くまなん院では腰・お尻・股関節の動きを分けて確認します
整骨院元くまなん院では、坐骨神経痛のようなお尻や脚の不調に対して、腰の動き、お尻の筋肉の緊張、股関節の可動性を確認します。出産後から症状が強くなった方には、現在の立ち方や歩き方、日常で繰り返している動作も踏まえて施術を進めます。
「腰が悪い」「骨盤が悪い」と一か所に決めるのではなく、症状が出る動作から身体の負担を整理します。
お尻がつらい日は腰だけを気にしなくても大丈夫です
出産後からお尻の違和感が強くなり、今でも脚まで気になる。
そんな状態が続くと、「腰が悪くなっているのでは」と不安になることもあると思います。
けれど、身体を見る場所は腰だけではありません。
次に歩いた時は、片側のお尻だけで身体を支えていないか、左右の歩幅が同じか、股関節から脚を後ろへ送れているかを少し感じてみてください。
出産そのものや内臓だけに答えを求めるのではなく、今の身体がどのように動いているかを見る。
そこから始めることで、長く続いてきた坐骨神経痛のような不調も、何を確認していけばよいのか整理しやすくなります。





















