膝痛を年齢だけで片づけないために股関節と足首から考える
膝の痛みで通院しているものの、歩くたびに気になる。
「もう60代後半だから、ある程度は仕方ないのかな」と感じていませんか。
膝痛には年齢に伴う身体の変化が関係することもありますが、それだけで決まるわけではありません。歩く時の股関節や足首の動きが小さくなると、その間にある膝が動きを補い、負担が集まりやすくなる場合があります。
膝は股関節と足首の間にあります
膝だけを見ると、曲げ伸ばしをする関節に見えます。
しかし歩く時は、股関節、膝、足首が順番に連動しています。
足を前へ出す時には股関節が動き、地面に足が着くと足首が衝撃を受けます。その間で膝が曲がったり伸びたりしながら、身体を前へ運んでいます。
この3つの関節がそれぞれ動くことで、負担を分け合っています。
ところが、股関節や足首が動きにくくなると、その分を膝が補う場面が増えることがあります。
膝痛がある時に膝だけを休ませても、歩き始めるとまた気になる方は、上下の関節まで含めて考えてみると身体の状態が整理しやすくなります。
年齢と膝痛をそのまま結びつけないことも大切です
60代以降になると、若い頃と同じように身体が動かないと感じる場面は増えてきます。
筋力や柔軟性、関節の状態などには年齢による変化もあります。そのため、膝の痛みについて医療機関で検査や診察を受けることは大切です。
一方で、「年齢だから」で日常の動きまで決めつけてしまう必要はありません。
同じ年代でも、歩き方や身体の使い方は一人ひとり違います。
膝をかばって歩幅が小さくなった。
以前より足首を動かさず歩いている。
片側の股関節が硬くなっている。
こうした変化が加わることで、膝の負担が増えている場合があります。
股関節が動かないと膝が向きを変えやすくなります
股関節は、脚の付け根にある大きな関節です。
前後だけでなく、内側や外側へも動きます。歩く時には、脚を前へ運びながら骨盤を安定させる役割もあります。
股関節の動きが小さくなると、身体の向きを変える時に膝だけをひねりやすくなります。
例えば、台所で振り向く時。
車から降りる時。
狭い場所で方向転換する時。
足を置いたまま上半身だけを先に向けると、膝にねじれるような負担がかかることがあります。
膝が気になる方ほど、足先と膝の向きだけでなく、股関節から身体の向きを変えられているか見てみたいところです。
お尻の筋肉も膝の向きを支えています
股関節の周りには、お尻の筋肉があります。
歩いて片足になった瞬間、骨盤が大きく傾かないように支えるのも、お尻の筋肉の役割のひとつです。
ここがうまく働きにくいと、歩く時に膝が内側へ入りやすくなったり、身体が左右へ揺れたりすることがあります。
膝そのものに筋肉をつけることだけを考えるのではなく、脚の付け根から安定して使えているかを見ることも重要です。
特に、膝の痛みを避けるために片側へ体重を逃がす歩き方が続いている方は、お尻や股関節の使い方にも左右差が出やすくなります。
足首の硬さは階段や立ち上がりにも影響します
膝より下では、足首も大きな役割を持っています。
歩く時、足首は地面の傾きや衝撃に合わせて動きます。階段を下りる時や、椅子から立ち上がる時にも必要です。
足首が前へ曲がりにくいと、しゃがむ動作でかかとが浮いたり、膝が必要以上に前や内側へ動いたりすることがあります。
本人は「膝が硬い」と感じていても、実際には足首の動きが小さく、膝が代わりに頑張っている場合もあります。
昔の捻挫や、長年履いてきた靴、歩く量の変化などによって、左右の足首の動きに差が出ている方もいます。
靴底を見ると歩き方のヒントが見つかることがあります
普段履いている靴を一度裏返してみてください。
左右で減り方が違う。
外側だけ極端に減っている。
片方のかかとが大きく削れている。
このような違いがあれば、歩く時の体重移動にも左右差があるかもしれません。
靴底の減り方だけで膝痛の原因を判断することはできませんが、普段どちらの脚に頼っているかを考えるヒントになります。
膝をかばい始めてから靴の減り方が変わった方は、痛みを避ける歩き方が習慣になっている可能性もあります。
痛い膝をかばうほど反対側にも負担が移ることがあります
右膝が痛ければ、無意識に左脚へ体重を移します。
これは身体を守るための自然な反応です。
ただ、その状態が長く続くと、反対側の股関節や腰、足首まで疲れやすくなることがあります。
「最初は右膝だけだったのに、最近は左の腰も重い」というように、不調を感じる場所が増えることもあります。
だからといって、痛い膝へ無理に体重をかける必要はありません。
現在通院している方は、診断や指示を守りながら、膝をかばった結果として他の場所にどんな変化が出ているかも伝えておくとよいでしょう。
歩幅を広げればよいわけではありません
膝痛があると、「しっかり歩いた方がいいのでは」と意識的に歩幅を広げる方がいます。
しかし、股関節や足首の動きが小さい状態で大股にすると、膝や腰に負担が出る場合があります。
まずは歩幅より、足が身体の下へ自然に着いているかを確認してみましょう。
足音が片方だけ大きくないか。
片側へ身体が傾いていないか。
つま先と膝が大きく違う方向を向いていないか。
無理にフォームを作り込むのではなく、普段の歩き方にある左右差へ気づくことから始めます。
椅子から立つ動作でも股関節と足首を使います
歩くことだけが膝への負担を確認できる場面ではありません。
椅子から立つ時も、股関節、膝、足首が一緒に働きます。
足を前へ出したまま立とうとすると、膝だけで身体を持ち上げにくくなります。
足を少し手前へ引き、上半身を股関節から前へ移動させます。その状態で足裏全体を床につけ、ゆっくり立ってみてください。
膝を深く曲げる必要はありません。
股関節から身体を前へ運び、足首と膝が一緒に動く感覚があるか確認します。
痛みが強くなる場合は無理に繰り返さないでください。
足首を小さく動かすセルフケア
膝を強く曲げ伸ばししなくても、足首から動きを確認できます。
椅子に腰掛け、両足を床につけます。
かかとは床につけたまま、つま先をゆっくり持ち上げて戻します。次に、つま先を床につけたまま、かかとを小さく上げて戻します。
それぞれ5〜10回程度、左右の動きに差がないかを感じてください。
大きく動かす必要はありません。
足首が動くことで、歩く時に膝だけへ負担を集めにくくする準備になります。
通院中だからこそ伝えてほしい変化があります
現在、膝の痛みで医療機関へ通院している場合は、その経過を大切にしてください。
痛みが急に強くなった、膝が大きく腫れた、熱を持っている、体重をかけられない、転倒後から強く痛むといった変化があれば、診てもらっている医療機関へ相談することをおすすめします。
整骨院で身体の動きを見る場合も、医療機関で受けている説明や検査結果があれば、それを踏まえて考えていきます。
年齢だけで判断しないことと、必要な医学的確認を省くことは別です。
整骨院では膝の上下にある関節も確認します
整骨院元くまなん院では、膝の不調がある方に対して、膝の動きだけでなく、股関節の可動性、足首の動き、歩行時の体重移動を確認します。すでに医療機関へ通院している方は、その経過も踏まえながら日常動作での負担を整理します。
熊本市南区で買い物や散歩、日々の移動を無理なく続けたい方にとって、膝だけを守るのではなく、脚全体をどう使うかを見ることも大切です。
「年齢だから」と歩くことを諦める前に
膝が痛いと、階段を避けたり、外出を減らしたりすることがあります。
痛みを我慢して歩く必要はありません。それでも、「もうこの年齢だから」と最初からすべてを諦めてしまう必要もありません。
股関節が動いているか。
足首が左右同じように使えているか。
膝をかばって反対側へ寄りすぎていないか。
膝の上下に目を向けると、今までとは違う身体の見方ができます。
通院を続けながら、買い物や散歩で歩く時の負担も少しずつ確認していく。そんな形で身体と付き合っていくことが、膝への不安を整理するきっかけになります。





















